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『おとうさんといっしょ。』では書けないことをいろいろと。


by totoex
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森のなかの海。

先日、ヨメ&ムスコとショッピングセンターをぶらぶら。
なかばヒマつぶしに寄ったので、特に買うものもない。

が。

ヨメの『このまま帰ったら駐車場代だけとられて悔しいわのよ!』
という貧乏根性まるだしのピノコ風発言により、本屋のフロアで
それぞれ本でも買って帰りますか?との合意に達し、本屋へ。

ムスコは『めばえ』
ヨメはムスコに読んであげる絵本。
ワタシは『なんか出てるかなぁ・・』と思いつつ宮元輝の文庫本のあたりを
物色して、(多分)新しい文庫本、『森のなかの海』(上下)をご購入。

イイ。イイですよ。やっぱ。
オススメします。

なんというかね、こう人間が『生きていく』姿。
いろんなしがらみっつーんですか、宿命つーんですか
まさにthismotalcoilなわけですが
そこに著者の思いがキッチリメッセージとなって
伝わってくる、いい作品です。

で、今回は『読書』について語ってみようと思うちょります。

小学生のころ、大叔母が本屋に勤めていた関係?で
よく家に本が送られてきていた。
なにげなく、よく読んでいたように思う。
今思えば、太宰やら渡辺淳一やら世界文学全集やら内容も
よく分からず、ヒマをつぶすためによく読んでた。
別にハマっていたわけでもなく、面白かったわけではない。
いいヒマつぶしだったのだ。

今思えば、愛に飢えた不遇な少年時代だったのかもしれん。

渡辺淳一とかってどうよって感じしません?
小学校3,4年生くらいで、エロい描写とかあったりして
『オトナは何をやっとるんでっしゃろ。ハテハテ。』
と思いつつ、祖母に与えられたおやつ代わりのイリコをポリポリ齧りながら
読んでおったわけですわ。
つかほとんど意味わかってないんだから眺めてたっつーのが正しいでしょうか。

文江というのが人の名だと分からず、『ぶんこうってナニよ?』
というギモンを解決できず、しかしながらなんとなく、そのあたりの
描写がチチやハハに聞いてはなんとなくまずかろう的な雰囲気であることは
察知している幼き日のワタシ。うーん。初々しい。

さて、5,6年になってくると、友達との遊びが忙しくなってまいります。
つか、それまで暗くナイーブな少年だったのが、スポーツやらいろいろ始めたりして
なんとなく社交的になったわけです。

そうなるともう本なんざ読んでられませんわ。
ほとんど読まなくなりました。

でも読書感想文を書けっつー宿題の時には、暗かった時代に
読んだ記憶の中から『夏目漱石あたりが先生ウケいいんちゃう?』
などとテケトーにセレクトして書いていた、ヤクザな小学生。
ヤなコドモだったな。我ながら。

中学、高校、大学時代は、読書そのものを避けていたキライがある。
というか怖くなった、というのが正確なところかもしれない。

自分というまだ真っ白な(実はヨゴレまくりなのだが)キャンバスが
意図された思想に染められていくような恐怖心があった。
コレホント。
ある程度の『自分』が確立してないと、モロに影響されそうで。

ちゃんと読めるようになったのは、就職してしばらくしてからか。

若いころは実際、まわりにも『太宰が云々』『三島がどーだ』とかすっかり染められて
しまったヤツラもいたりして、『くわばらくわばら、宗教みたいに洗脳されちゃうのね。』
とすっかりビビリまくっていたわけです。

しかし今思えば、そういう多感な時期にこそいろいろ読むべきであったのかもしれん、
とも思ったりする今日このごろなのでした。
by totoex | 2005-09-04 22:13 | ぼやき